クレアールは「非常識合格法」で知られる老舗通信予備校だ。行政書士試験でも一定の支持を集めているが、合う人と合わない人がはっきり分かれる講座でもある。

「安いから試してみたい」「でも後悔したくない」——そういう迷いを抱えているなら、デメリットを先に把握してから判断するのが正解だ。この記事では、クレアール行政書士講座の7つのデメリットを実態に即して整理し、「向いてる人」「避けた方がいい人」をはっきりさせる。比較検討の材料として使ってほしい。


クレアール行政書士講座の基本情報

まず土台となる情報を整理しておく。

クレアールは1962年創立の資格予備校で、主に公務員試験・簿記・社労士・行政書士など幅広い資格を扱う。行政書士講座のメイン講師は杉田講師で、長年教壇に立つベテランだ。

主なコース構成(※2026年5月時点。最新は公式で確認)

コース名特徴
行政書士 通常コース1年完結型。受講料4〜6万円台が中心
セーフティコース2年保証付き。1年合格なら差額返金あり
中級・上級コース学習経験者向け

教材の軸は「マルチパステキスト」と呼ばれる独自テキストだ。2色刷り(赤系)で情報を厳選した作りになっており、クレアールが掲げる「非常識合格法」——試験合格に必要な範囲だけに集中するというメソッド——に基づいて構成されている。

講義は1本30分前後に区切られており、すき間時間で消化しやすい設計になっている。


デメリット1: 講義のテンションが淡々としている

クレアールの杉田講師は知識量と説明の正確さで高い評価を得ているが、「テンションが高い」タイプの講師ではない。落ち着いた語り口で淡々と解説を進めるスタイルだ。

アガルートの豊村講師やフォーサイトの講師陣のように、エンタメ要素やリズムの変化で受験生を引っ張るタイプが好きな人には物足りないかもしれない。

「講師のノリが勉強のモチベーションに直結する」という人、特に初学者で法律の難解さに壁を感じているタイプは要注意だ。逆に「落ち着いた解説の方が頭に入る」という人には全く問題にならない。

口コミを見ると、「杉田先生の淡々とした解説が聞きやすかった」という声と、「もっとテンション高い方が好きだった」という声が両立している。好みの問題だが、事前にサンプル講義を確認してから判断すべきポイントだ。


デメリット2: 動画講義のUIが他社より古め

動画プレーヤーのインターフェース、学習管理画面の見た目、マイページの設計——これらは正直に言えば「古さ」を感じる仕上がりだ。

最近の通信講座はスタディングやフォーサイトを筆頭に、学習進捗の可視化・ストリーク管理・問題の出題制御など、アプリとしての完成度が高い。クレアールはその点で後れを取っている。

動画自体は視聴できるし、学習は進む。しかし「UIが良いと勉強が楽しくなる」というタイプの人には、日常的に触れる操作感の古さがじわじわとストレスになる可能性がある。

「道具は機能すればいい」「ゲーミフィケーションは要らない」という割り切りができる人なら問題にならない。


デメリット3: 合格率を公表していない

これはファクトとして明確に伝えておく。クレアールは行政書士講座の合格率を公式に公表していない。

アガルートは合格率52.59%(全国平均の3.62倍)という数字を出しており、フォーサイトも合格占有率を掲載している。クレアールにはそれがない。

合格率を公表しない理由は明示されていないが、受講生数の母数が相対的に小さいことや、行政書士試験は年ごとの難易度変動が大きく単年の数字が誤解を招きやすいことが背景として考えられる。

「実績の数字で講座を比較したい」という受験生には、客観的な判断材料が少ないのが現実だ。口コミや合格体験記を自分で集めて判断するしかない。


デメリット4: 質問回数に制限がある

検索すると「クレアールはメール質問が無制限」という情報が出てくることがある。ただしコースや時期によって条件が変わる場合があるため、公式での確認が必須だ。

制限がある場合、「講義を聞いて疑問が湧くたびに質問したい」という学習スタイルには合わない。行政書士試験は民法・行政法を中心に「例外の例外」が出てくる難解な科目が多い。疑問を積み残すと後の理解に響くため、質問しやすい環境かどうかは重要な選定基準だ。

質問への回答は講師陣が行うとされており、回答の質は高い。ただし即レスではなく、回答まで数日かかるケースもある。


デメリット5: スマホアプリの機能が限定的

クレアールはスマートフォンから動画を視聴することはできる。しかし専用アプリの機能という点では、競合他社と差がある。

スタディングはスマホ完結の設計で、問題演習・進捗管理・講義視聴すべてがアプリで動く。フォーサイトも同様にスマホ学習のUXに力を入れている。クレアールは「見られる」が「管理できる」体験としては弱い。

「通勤・移動中にスマホで完結させたい」「アプリで学習時間を記録してモチベートしたい」という人には、明らかな不満要素になる。

自宅のPC・タブレットで腰を据えて学習できる環境がある人なら、スマホの弱さはそれほど響かない。


デメリット6: テキストが情報を絞っており、深掘り派には物足りない

「非常識合格法」の核心は、試験合格に必要な範囲に絞ることだ。これはメリットであると同時に、一部の受験生にとってはデメリットになる。

マルチパステキストは2色刷りで薄くコンパクトにまとまっているが、「なぜそうなるのか」という根拠や周辺知識を深掘りする余地が少ない。法律を体系的に理解したい人、行政書士試験の先に実務を見据えている人には物足りなく映ることがある。

また、テキストと講義の更新タイミングが合わず、「テキストと言ってることが違う」という口コミも一部見られる。教材の整合性については改善の余地があるという評価が現実だ。

「出る範囲だけ効率よく押さえたい」という割り切りができるなら、この薄さは武器になる。「法律を深く理解しながら進みたい」なら他の選択肢の方が合うかもしれない。


デメリット7: セーフティコース(返金あり)は割高

クレアールのセーフティコースは、1年目で不合格だった場合に翌年度も受講継続できる2年保証型のプランだ。1年目で合格すれば翌年分の受講料が返金される仕組みになっている。

リスクヘッジとしての考え方は理にかなっている。しかし初期の受講料は通常コースより高く、7万円前後になることが多い。(※2026年5月時点。最新は公式で確認)

アガルートは合格すれば受講料全額返金というインパクトのある制度を持っている。コスト感の比較では、「2年かかるかもしれない」という前提に対してどこまで初期投資できるか、という個人の判断になる。

「1年で集中して合格する」という強い覚悟があるなら、通常コースの方がコストパフォーマンスは高い。「万が一落ちても2年目に持ち越せる安心感が欲しい」なら、セーフティコースの価値は出る。


それでもクレアールが向いてる人

デメリットを7つ並べたが、クレアールを選ぶ合理的な理由は確かにある。次のいずれかに当てはまるなら、クレアールは有力な選択肢だ。

落ち着いた講義スタイルが合う人

エンタメ性より正確な解説を好む人、「テンション高い講師は逆に集中できない」という人には、杉田講師の語り口がフィットする。実際、合格者の口コミに「杉田先生の説明が一番腑に落ちた」という声は多い。

「非常識合格法」の発想が刺さる人

試験は満点を取る必要がない。180点取れば受かる。出る範囲に集中して最短で合格を取りにいく、という発想を心地よく感じるなら、テキストの薄さはネガティブではなく武器になる。独学で参考書を何冊も買い込んでしまう人より、「一冊に絞る」方が続く人に向いている。

2年計画でリスクヘッジしたい人

行政書士試験は年によって難易度が大きく振れる。「今年ダメでも来年に繋げたい」という現実的な計画を持っているなら、セーフティコースは合理的な選択だ。家庭・仕事との両立で学習時間が限られるなら、2年計画は合格率を高める戦略にもなる。

コストを抑えつつ本格的に取り組みたい人

スタディングより手厚く、アガルートより安い。この中間帯で「そこそこ手厚いサポートで学びたい」という需要にはちょうど合う。


避けた方がいい人

正直に言う。次のような人にはクレアールは向かない。

テンション高い講義でモチベートされたい人

豊村講師(アガルート)のような熱量のある解説で「自分もやれる気がする」と感じるタイプなら、クレアールの静かな講義では途中で失速する可能性が高い。アガルート行政書士の評判を先に確認することを勧める。

スマホ学習をメインにしたい人

電車や職場の昼休みなど、スマホで完結させたい人にはスタディングの方が圧倒的に合っている。UIの快適さは学習継続に直結する。スタディング行政書士のデメリットも読んだ上で比較してほしい。

最新UIが学習の前提になっている人

フォーサイトのバーチャル講義室やアガルートの洗練された動画環境に慣れると、クレアールの古いインターフェースはストレスになる。フォーサイト行政書士の評判も候補に入れるといい。

合格実績の数字で意思決定したい人

合格率を公表していないクレアールは、この軸での比較ができない。合格率の透明性を重視するなら、アガルートかフォーサイトの方が判断材料がある。アガルートvsフォーサイト比較を参考にしてほしい。


アガルート・フォーサイト・スタディングとの比較

4社を並べると、それぞれの立ち位置がはっきりする。

クレアールアガルートフォーサイトスタディング
料金感中間(4〜6万円台)高め(6〜8万円台)中間(4〜6万円台)安い(3〜4万円台)
講義スタイル落ち着いた解説熱量高め初学者向けに丁寧コンパクト・効率型
テキスト情報絞り込み型図解多め・詳細フルカラー・見やすいデジタル完結
スマホ対応視聴可能・管理機能は弱普通対応ありスマホ特化
合格率公表非公表52.59%(公表)公表あり非公表
返金制度セーフティコース(差額返金)合格で全額返金合格返金ありなし

※2026年5月時点。最新は各公式サイトで確認。

コスパ重視で「非常識合格法」の発想が合うならクレアール。合格率の透明性と講師の熱量を求めるならアガルート。初学者でフルカラーの見やすい教材が欲しいならフォーサイト。とにかく安くスマホで完結させたいならスタディング——という住み分けが現実だ。


クレアールが向いてると思ったなら、資料請求は無料だ。教材サンプルと講義の雰囲気を実際に確認してから決めることを勧める。


FAQ

クレアール行政書士は初学者でも対応できるか?

対応できる。ただしテキストが情報を絞った構成のため、疑問点が出たときに自分で調べる姿勢が必要だ。丁寧なフォローを求めるなら講師陣との相性を事前に無料の資料請求で確認することを勧める。

質問はメールのみか?電話やチャットはないのか?

基本的にメール質問が主体だ。電話サポートやリアルタイムチャットは設けておらず、回答まで数日かかるケースもある。即レスを求める受験生には物足りないかもしれない。

合格率を公表していないのはなぜか?

クレアールは公式に合格率を公表していない。理由は明示されていないが、受講生数の母数が相対的に小さいことや、試験の難易度変動が大きい行政書士試験では単年の数字が誤解を生む可能性があることが背景として考えられる。

セーフティコースは本当にお得か?

1年目不合格だった場合の安心感という意味ではリスクヘッジになる。ただし通常コースより受講料が高く、1年合格できれば返金される仕組みとはいえ初期投資が重くなる。2年かけて受かる可能性が高いと自己評価するなら価値がある。

クレアールのアプリはどの程度使えるか?

スマートフォンでの動画視聴は可能だが、学習進捗の自動管理や問題演習のUIはスタディングやフォーサイトと比べて見劣りする。移動中にスマホで学習を完結させたい人には向かない。

「非常識合格法」とは何か?

クレアールが掲げる独自メソッドで、「試験合格に必要な範囲に絞り込んで効率よく学ぶ」という考え方だ。広く深く網羅するのではなく、頻出領域の理解度を高めることに集中する。試験を効率で突破したい人には刺さるが、体系的に全範囲を押さえたい人には窮屈に映る。

通学コースは選べるか?

クレアールは通信専門の予備校だ。校舎での対面授業は提供していない。オンライン完結型に抵抗がない人が前提となる。

他社と比べて料金はどのくらいか?

クレアールの行政書士講座(通常コース)はおおむね4〜6万円台が中心だ。アガルートやTACと比べると安く、スタディングよりは高い中間帯に位置する。セーフティコースは7万円前後になることが多い。※2026年5月時点。最新は公式で確認のこと。


まとめ

クレアール行政書士講座のデメリットをまとめると、「淡々とした講義・古いUI・合格率非公表・スマホ弱め・テキストが薄い・セーフティコースは初期コスト高」という7点が現実だ。ただし「非常識合格法で効率重視」「落ち着いた解説派」「2年計画でリスクヘッジ」という人にとって、これらのデメリットは大した問題にならない。

通信講座選びで大事なのは、どの講座が「最強か」ではなく、どの講座が「自分に合うか」だ。

まず資料請求で実際の教材と講義サンプルに触れることが、後悔しない選択への一番の近道だ。

この記事を書いた人行政書士パス 管理人

行政書士試験の独学の進め方、参考書・問題集の選び方、通信講座の比較を整理しています。試験の日程や制度は、必ず行政書士試験研究センターなどの公式情報で確認してください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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