スタディングの行政書士講座を「安いから」という理由だけで買うと、後悔する可能性がある。

価格は業界最安水準の34,980円〜(2026年5月時点)。これは事実だ。だが「安さ」には必ず理由がある。サポートを削り、紙を排し、合格率も開示しない。それが現実のスタディングだ。

この記事では、スタディング行政書士講座の具体的なデメリットを8つに整理して検証する。読み終えたとき「自分には向いているか、向いていないか」がはっきりするはずだ。


結論:スタディングの強みは「安さ×スマホ完結」、弱みは「孤独との戦い」だ

先に結論を出しておく。

スタディングが他社と比べて明確に優位なのは、価格とスマホ利便性の2点だ。講義動画・テキスト・問題演習がすべてスマホで完結し、通勤・家事の隙間時間を学習に変えられる設計は、実際に評価が高い。

一方で、弱い部分も明確だ。質問・添削・モチベ管理というサポート系が全体的に薄く、自走できない人が途中脱落しやすい構造になっている。

「安い通信講座でも合格できるか」という問いへの答えは「できる。ただし自走できる人に限る」だ。

以下で8つのデメリットを順に見ていく。


デメリット1:質問サポートが基本なし。チケット制で別料金

学習中に「この条文の解釈、どっちが正しいんだ?」と詰まる場面は必ず出てくる。行政書士試験は法律科目が中心だから、なおさらだ。

スタディングの質問サポートはQ&Aチケット制を採用している。コンプリートコース(2026年度版で59,800円〜)にはチケット30枚が付属するが、それ以外のスタンダードコース・ミニマムコースを選んだ場合、質問するたびに別途チケットを購入しなければならない。

他社と比較すると、アガルートは質問サポートが回数無制限(メール・受講生専用フォーラム)、フォーサイトも回数無制限のメール質問が標準でついている。この差は、学習が詰まったときのストレスに直結する。

「詰まっても自分で調べて解決できる」タイプなら問題ない。だが「わからないと先に進めない」性格の人にとって、このデメリットは想像以上に重くのしかかる。


デメリット2:紙のテキストが別売。オプションで14,900円追加

スタディングの基本教材はすべてオンライン提供だ。問題演習も模試も、すべて画面上で行う。

紙のテキストが欲しい場合は、冊子テキストをオプション購入する必要がある。2026年5月時点の価格は14,900円(別途)。これを加えると、ミニマムコースの実質コストは一気に跳ね上がる。

「紙じゃなくてもいい」という人は問題ないが、次のような人は要注意だ。

  • ページを折ったり書き込んだりして記憶を定着させるタイプ
  • 長時間の画面読書で目が疲れやすい
  • 試験当日に近い環境(紙+鉛筆)で本番対策をしたい

特に模試が完全オンライン形式という点は盲点になりやすい。本試験は紙の問題冊子にマークシート形式だ。本番に近い環境で解く練習が一度もできないまま試験に臨む、というリスクは意外と大きい。


デメリット3:合格率を一切公表していない

「スタディングで何%の人が合格しているのか」という問いに、スタディングは現在も答えていない。

公式サイトで確認できるのは「2025年の合格者数:419名」という実績数字だ。だが受講者全体に対する割合(合格率)は非公表だ。

合格率の公表は、講座の信頼性を測る重要な指標のひとつだ。アガルートは受講者の合格率を明示しており、フォーサイトも合格占有率という形で数字を出している。比較検討する際、スタディングだけが「合格者数」という絶対値しか提示しないのは、フェアに言えば不透明だ。

「合格者数419名」は多いように見えるが、受講者が10万人いれば合格率0.4%だし、5,000人なら8.4%になる。この数字単独では判断できない。

合格率非公表を「問題なし」と割り切れる人もいるだろう。だが、意思決定に必要な情報が揃っていないことは、購入前に認識しておく必要がある。


デメリット4:添削指導がない(AI添削は2024年から追加)

記述式問題は行政書士試験で最大60点(3問×20点)を占める。ここで差がつくのが現実だ。

スタディングは2024年からAI添削機能を追加した。生成AIが答案を読んで個別フィードバックを返す仕組みで、「何も添削がない」状態からは改善されている。

ただし、これは人間の講師が採点・コメントする「添削指導」とは性質が異なる。

  • 採点基準の解釈のブレは、AIフィードバックでは拾いきれない
  • 「なぜその表現では不十分か」という深い論点の指摘は、人間講師の方が精度が高い
  • 本試験の採点に近い感覚は、やはり人間による添削でないと得にくい

アガルートは記述式添削が充実しており、講師が直接採点するコースもある。記述式で確実に点を取りに行くなら、この差は無視できない。アガルート行政書士の評判で詳しく比較している。


デメリット5:法改正対応の説明が薄い

行政書士試験では毎年、直近の法改正が出題に反映される。民法・行政法を中心に、改正内容の把握は避けられない。

スタディングの法改正対応については「再受講時に最新版の教材・講義を利用できる」と案内されている。ただし、受講期間中の随時更新がどこまで行われているかの詳細な説明は乏しい。

他社、たとえばアガルートは「法改正対応セミナー」を毎年開催し、受講生全員が最新情報にアクセスできる体制を明示している。フォーサイトも法改正情報をテキスト・講義の形で随時提供している。

スタディングを選ぶ場合、法改正情報は自分で追う意識が必要だ。テキストの記述を鵜呑みにせず、最新の法令と照らし合わせながら学習を進める姿勢がないと、試験直前に「あれ、これ改正されてたのか」という事態が起きかねない。


デメリット6:記述式の対策ボリュームが相対的に手薄

スタディングのカリキュラムは択一式の短答問題を中心に構成されている。動画講義・スマート問題集・セレクト過去問の3本柱は、択一の基礎固めには十分だ。

一方、記述式専用の対策コンテンツのボリュームは、アガルートやフォーサイトと比べると薄い。

記述式で高得点を取るには、条文の正確な文言を書ける訓練が必要だ。頭の中では理解できていても、実際に文章として書き出せないケースが多い。これは択一の訓練だけでは補えない。

記述式が苦手な人、法律初学者で文章を「書く」訓練に不安がある人は、スタディングの記述式対策だけでは不足を感じる可能性が高い。


デメリット7:モチベーション管理サポートがない。完全自走前提

スタディングは「スキマ時間に一人で学ぶ」ことを最大化した設計だ。裏を返せば、学習を続けさせる仕組みが自分の意思力に依存している。

アガルートには専任スタッフによる面談サポート、フォーサイトには学習進捗の管理ツールや合格体験記の充実がある。通学系の予備校なら、クラスメートとの交流や講師の目があることで緊張感が保たれる。

スタディングにそういった仕組みはない。管理画面で学習時間の記録は見られるが、誰かが「進んでるか?」と声をかけてくれるわけではない。

行政書士試験の学習期間は独学なら300〜500時間が目安とされる。これを一人で完走するには、それなりのメンタル管理能力が必要だ。「やりきれるか不安」という人は、サポートが充実した他講座を選ぶ方が合格可能性は上がる。


デメリット8:教育訓練給付金の対象外

教育訓練給付金は、厚生労働省が指定した講座の受講料の20%を給付する制度だ。行政書士講座なら数万円の還元になる。

スタディングの行政書士講座は、一般教育訓練給付制度の対象外だ。

対象となっている主な競合は以下の通りだ(2026年5月時点。最新は公式で確認)。

  • フォーサイト行政書士講座:対象
  • アガルート行政書士講座:一部コース対象
  • LEC行政書士講座:対象

給付金を使えば実質負担額はさらに圧縮できる。スタディングの「安さ」を給付金対象講座と比較するとき、この差を考慮した上で計算し直す必要がある。


それでもスタディングが向いてる人

デメリットを8つ並べたが、スタディングが合っている人も確かにいる。

スタディングが向いてるのはこういう人だ。

1. 完全自走できる人 「わからないことは自分で調べて解決する」が当たり前にできる人。法律の解釈に詰まったとき、テキストや判例を自力で掘り下げられるタイプ。

2. スマホ学習が生活に合っている人 電車通勤・隙間時間の多いライフスタイルで、画面での学習に抵抗がない人。スタディングのUIはスマホ最適化されており、この層には本当に使いやすい。

3. 価格が最優先の人 予算が限られており「34,980円と5〜8万円の差が大きい」という状況なら、スタディングの価格メリットは無視できない。安い分のリスクを受け入れた上で選ぶなら合理的な判断だ。

4. すでに法律の基礎知識がある人 宅建や公務員試験の学習経験があり、行政法・民法の基礎が頭に入っている人。初学者向けの丁寧な説明より、効率的な網羅を優先したい人に向く。

※料金は2026年5月時点。最新情報は公式サイトで確認してほしい。


逆に向かない人

1. 質問しないと不安な人 「わからないことをそのままにすると気になって先に進めない」タイプには、チケット制質問サポートは致命的なストレスになる。

2. 紙で書いて覚えるタイプ テキストにメモを書き込み、問題を紙でがりがり解くスタイルが定着している人は、オンライン教材に慣れるコストが高い。

3. 法律完全初学者で、一度挫折経験がある人 「以前も通信講座を途中で辞めた」という経験がある初学者にはリスクが高い。サポートが薄い分、つまずいたときの回復力が問われる。

4. 給付金を使いたい人 対象外なので、給付金前提で予算を組んでいる人には合わない。


比較するならアガルート・フォーサイト・クレアール

スタディングのデメリットが気になる人は、以下の3講座を候補に入れることを勧める。

アガルート 質問無制限・記述式添削充実・合格率公表という、スタディングの弱点を補う設計だ。価格はスタディングより高いが、合格特典(全額返金制度)があり、合格できれば実質無料になるコースもある。詳しくはアガルート行政書士の評判を見てほしい。

フォーサイト 教育訓練給付金対象・質問回数無制限・eラーニングの完成度が高い。スタディングとの価格差を給付金で縮められるため、「安さ」軸での比較では実は拮抗することが多い。フォーサイト行政書士の評判で詳しくまとめている。

クレアール 「非常識合格法」という独自メソッドを採用し、試験に出るところだけを徹底的に絞り込むカリキュラムが特徴だ。費用対効果を重視する受験生から一定の支持がある。

アガルートとフォーサイトの詳細な比較はアガルートvsフォーサイト比較にまとめている。


FAQ

Q. スタディング行政書士は合格率を公表していないのか? 公表していない。2025年の合格実績として合格者数419名という数字は出しているが、受講者数に対する割合(合格率)は一切開示されていない。

Q. 質問サポートを使うにはどうすればいいか? コンプリートコース以外は、Q&Aチケットを別途購入する必要がある。コンプリートコースには30枚のチケットが付属するが、それを超えると追加購入が必要になる。

Q. 紙のテキストは手に入るか? オプションで冊子テキストを購入できる。2026年5月時点の料金は14,900円(別途)。ただしこれはあくまでオプションであり、基本教材はすべてオンライン提供だ。

Q. スタディング行政書士は教育訓練給付金の対象か? 行政書士講座は一般教育訓練給付制度の対象外だ。給付金を使いたいならアガルートやフォーサイトなど対象講座を選ぶ必要がある。

Q. 記述式対策はどの程度充実しているか? AI添削機能が2024年から追加されており、答案に対する個別フィードバックは受けられる。ただし、人間の講師による添削ではなく、AIによるフィードバックになる点は理解しておく必要がある。

Q. 法改正への対応はどうなっているか? 再受講時には最新版の教材・講義が利用できるとしているが、受講中の法改正情報がどこまで更新されるかの詳細な説明は乏しい。受講前に公式で確認するのが確実だ。

Q. スタディングを途中で辞めたくなったらどうなるか? 返金保証は設けられていない(キャンペーン等の例外を除く)。購入後のキャンセルは基本的に受け付けていないため、無料お試し期間で講義の質・UIを十分に確かめてから購入することを強く勧める。

Q. スタディングとフォーサイトはどちらがいいか? 価格重視ならスタディング、サポート重視ならフォーサイトという整理が実態に近い。フォーサイトは質問サポートが充実しており、教育訓練給付金にも対応している。詳しくはフォーサイト行政書士の評判を参照してほしい。


まとめ

スタディングのデメリットを8つ整理した。

  • 質問チケット制(コース次第で別料金)
  • 紙テキスト別売(14,900円追加)
  • 合格率非公表
  • 記述式添削はAIのみ
  • 法改正対応の説明が薄い
  • 記述式対策ボリューム少なめ
  • モチベ管理サポートなし
  • 教育訓練給付金対象外

これらを把握した上で「自走できる・スマホ学習が合う・価格最優先」なら、スタディングは十分に合理的な選択だ。逆に「質問サポートが必要・紙派・給付金を使いたい」なら、アガルートかフォーサイトを先に比較した方がいい。

購入前に必ず無料お試しで講義サンプルを確認してほしい。それだけで「自分に合うか」の判断はかなり精度が上がる。

※料金・サービス内容は2026年5月時点。変更の可能性があるため、最新情報は必ず公式サイトで確認してほしい。

この記事を書いた人行政書士パス 管理人

行政書士試験の独学の進め方、参考書・問題集の選び方、通信講座の比較を整理しています。試験の日程や制度は、必ず行政書士試験研究センターなどの公式情報で確認してください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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