合格革命 肢別過去問集 vs LEC ウォーク問——2026年版、どちらを選ぶか
行政書士の独学で「過去問はどれを使えばいいのか」という問いは、参考書選びの次に必ず来る。問題集の棚を見ると、必ず目に入るのが合格革命(TAC出版)とウォーク問(LEC)の2冊だ。知名度が高い、よく名前が挙がる——だからこそ「どっちでもいい」で済ませてしまいがちだが、2冊は問題の出し方が根本から違う。使い方を間違えると、周回数だけ増えて得点に結びつかないことになる。この記事ではその違いを正直に書く。
結論:どんな人がどちらを選ぶべきか
先に結論を置く。
- テキストと同シリーズで揃えたい
- 1問1答で論点を確認しながら進めたい
- 肢の○×を反射的に判断できるまで鍛えたい
- 重要度ランク(A/B/C)で効率よく絞りたい
- 1冊で法令+基礎知識を完結させたい
- 本番形式(5肢択一)に近い解き方を身につけたい
- 「正解枝を選ぶ」という本試験の感覚を早めに練習したい
- 受験者正答率で問題の難易度を確認しながら進めたい
- アプリ学習を活用したい
- LECテキストとシリーズを合わせたい
迷っている人の大半は「1冊選んで徹底的に周回する」が正解だ。どちらかを買って3周以上やり込んだ人が合格に近づいていく。2冊を1周ずつより、1冊を3周の理由は後述する。
2冊の書影・基本スペック

形式: 1問1答(肢別)/法令+基礎知識を1冊収録
問題数: 約4,700肢以上
定価: ¥3,850(税込)

形式: 5肢択一(問題単位)/法令編(3分冊セパレート)
収録: 過去10年分の本試験問題
定価: ¥2,970(税込)
比較表——6項目で並べる
| 項目 | 合格革命 肢別過去問集 | LEC ウォーク問(法令編) |
|---|---|---|
| 問題形式 | 1問1答(肢別) 各肢をバラして○×で答える | 5肢択一(問題単位) 本試験と同じ形式で正解枝を選ぶ |
| 収録範囲 | 法令+基礎知識を1冊で完結 | 法令編(1)+基礎知識編(2)の2冊構成 |
| 問題数の目安 | 約4,700肢以上(業界最大水準) | 過去10年分の本試験問題(問題数は肢別より少ない) |
| 解説の充実度 | 重要度ランク(A/B/C)付き。TAC基本テキストへのページ参照あり | 受験者正答率付き。LEC合格基本書へのページ参照あり。講師コメントあり |
| 分冊・サイズ | 1冊(セパレート非対応)。A5判でやや大きめ | 3分冊セパレート対応。B6判コンパクト |
| 価格(税込) | ¥3,850(法令+基礎知識を1冊) | 法令編¥2,970+基礎知識編¥1,980=2冊で¥4,950 |
| アプリ対応 | なし(2026年度版時点) | スマホアプリ付属(2026年版より) |
価格面では、ウォーク問は法令編だけで¥2,970だが、基礎知識編(¥1,980)を合わせると2冊合計¥4,950になる。合格革命肢別(¥3,850で1冊完結)のほうが総額では安い。ここは比較の前提として押さえておきたい点だ。
合格革命 肢別過去問集の強みと弱み
強み①:問題数の多さが「論点網羅」につながる
収録肢数は業界でも最大水準とされる。肢をバラして1問1答で出題しているため、同じ論点が「表現を変えて」複数回登場する。繰り返し問われる論点は自然と記憶に定着し、問題を見た瞬間に○か×かが反射的に出てくるようになる。これが肢別形式の最大のメリットだ。
重要度ランクA/B/Cで問題が分類されているため、「Aランクだけ完璧にする」という絞り込みができる。試験まで時間が限られている場合、Cランクを後回しにしてAランクを徹底的に叩いておく使い方が現実的だ。
強み②:合格革命テキストとのシリーズ連携
各問題に「テキスト参照ページ」が記載されており、間違えたら即座に同シリーズのテキストの該当箇所へ戻れる。テキストと問題集が同じ編著者チームで作られているため、論点の表現がズレない。「テキストにはこう書いてあったのに問題集の解説では違う書き方をしている」という混乱が起きにくい。
強み③:1冊で全範囲が完結する
法令科目も基礎知識も1冊に収まっている。管理するものが少ないほど、毎日の学習ルーティンを回しやすい。「今日は法令の行政法を周回する」「今日は基礎知識を確認する」が1冊の中で完結する。2冊に分かれているウォーク問と比べると、教材管理の手間が減る。
弱み:本試験形式の練習にはならない
肢別は1問1答なので、本番の5肢択一で「4つの肢を比較しながら正解枝を絞る」という作業とは性質が異なる。肢別を繰り返していると「この肢は○」という知識は積み上がるが、試験直前に5択形式の問題を解くと戸惑うことがある。直前期に年度別の模試や過去問演習を入れておくのは、この弱点を補うためだ。
LEC ウォーク問の強みと弱み
強み①:本試験形式(5肢択一)での演習ができる
ウォーク問の最大の特徴は、本試験と同じ5肢択一形式を維持している点だ。問題を解く際に「5つの選択肢の中で最もおかしい肢はどれか」「3つは正しいが2つが間違っている場合、どちらが正解か」という判断トレーニングが積める。行政書士の本試験でそのまま使える思考回路を早い段階で作れる。
強み②:受験者正答率で「捨てるか拾うかの判断」ができる
各問題に受験者の正答率が掲載されている。正答率50%以下の問題は、多くの受験者が間違えるレベルの難問だ。時間が足りない直前期に「正答率80%以上の問題を確実に取れるようにする」という戦略で使えば、ハイレベルな問題に時間を浪費せずに済む。自分の得点計画と照らし合わせた優先順位づけができるのは、他の問題集にはないメリットだ。
強み③:アプリでスキマ時間を使える
2026年版からアプリが付属している。移動中・休憩中にスマホで問題演習を完結させられるのは、忙しい社会人受験生にとって実際的な強みだ。テキストを広げられない場面でも問題演習が続けられる。
弱み①:2冊でトータルコストが上がる
法令編と基礎知識編の2冊で¥4,950。合格革命肢別(¥3,850、1冊完結)より約1,100円高い。金額の差よりも、2冊を別々に管理・周回する手間が増える点を意識しておきたい。
弱み②:肢別ほどの「細かい論点の叩き込み」には向かない
5肢択一のまま解くため、1つの問題に含まれる5肢すべてを精密に潰していくには時間がかかる。合格革命肢別は同じ論点を複数の角度から問うことで反射的に答えられるレベルまで鍛えるが、ウォーク問はそこまでの繰り返し構造になっていない。「論点の深掘り」よりも「問題を解く流れを体感する」向きのツールだ。
周回戦略——「1冊3周」vs「2冊1周ずつ」
「合格革命もウォーク問も気になるから両方やろう」という発想は悪くない。が、現実には機能しないことが多い。理由はシンプルで、2冊を並行させると1冊あたりの周回数が減り、記憶の定着が半分以下になるからだ。
記憶の定着には「同じ問題に繰り返し当たること」が必要
問題演習で得点が上がる仕組みは単純だ。同じ肢・同じ論点に繰り返し当たることで、見た瞬間に答えが出る状態を作る。合格革命の肢別で1冊を5周やり込んだ人と、合格革命とウォーク問をそれぞれ1周ずつやった人では、同じ時間を使っていても前者のほうが圧倒的に得点が高い。
「2冊1周ずつ」が機能するのはどんなケースか
唯一、2冊を使う意味があるのは「段階的に使い分ける」ときだ。たとえば、学習中期〜後期に合格革命肢別で論点を叩き込み、直前期にウォーク問で5択形式の感覚を取り戻す——という使い方なら効果がある。ただし「直前期にウォーク問を始める」場合は、時間的に全問はこなせないことが多いため、受験者正答率の高い問題に絞ることが前提になる。
コスパで選ぶなら
金銭的コストで判断するなら合格革命肢別一択だ。¥3,850で法令+基礎知識の全範囲をカバーし、重要度A/Bランクを5周以上やり込むという戦略が、最も投資対効果が高い。ウォーク問を「直前期の5択慣れ」として1冊追加するなら、法令編(¥2,970)だけでも十分機能する。

形式: 1問1答(肢別)/ 法令+基礎知識1冊完結 / 定価¥3,850(税込)
FAQ——よく出る疑問
Q. 合格革命テキストを使っているが、問題集はウォーク問でもいいか?
使えないことはないが、解説内の参照ページが「LEC合格基本書」のページ番号になっているため、合格革命テキストとは対応しない。間違えた問題の根拠をテキストで確認するたびに自分で該当箇所を探す必要が生じる。合格革命テキストを使っているなら、同シリーズの肢別過去問集のほうが往復の手間が圧倒的に少ない。
Q. 肢別は本番形式と違いすぎて意味がないのでは?
よく聞く懸念だが、実態は逆だ。5肢択一の正解枝を選ぶためには、各肢が○か×かを瞬時に判断できる力が前提になる。その基礎を作るのが肢別だ。肢別で論点を叩き込んだ上で本番形式に移行すると、正解枝の判断が速くなる。肢別だけでは確かに不十分だが、肢別をやらずに5択だけを解き続けても、根拠の薄い勘答えになりやすい。
Q. 2冊を買う予算がない場合は?
合格革命肢別1冊で十分だ。¥3,850で法令+基礎知識の全範囲をカバーし、重要度Aランクから潰していくことが合格への最短ルートになる。ウォーク問を追加するのは、それを5周以上やり込んだ後に「本試験形式に慣れる」目的で導入するのが理想の順序だ。
Q. ウォーク問は法令編だけ買えばいいのか?
「5肢択一の感覚を養う」目的なら法令編(¥2,970)だけでも機能する。基礎知識の配点は試験全体の中で低く、ウォーク問の基礎知識編(¥1,980)を追加するより、法令科目の周回数を増やすほうが得点インパクトは大きい。費用を抑えたい場合は法令編のみで問題ない。
まとめ
合格革命 肢別過去問集とLEC ウォーク問は、優劣の話ではなく「何をトレーニングするか」の違いだ。論点を反射的に判断できる力を鍛えるなら合格革命肢別、本試験の5択形式に慣れるならウォーク問——それだけのことだ。
どちらを選んでも、1冊を3周以上やり込む前に次の教材に移ることが最も避けたい状況だ。「どちらにしようか」と悩んでいる時間より、今手元にある1冊の問題集を開いて1問解くほうが合格に近づく。
合格革命テキストをすでに使っているなら、同シリーズの肢別を軸に据えてA/Bランクから潰していく。LECのテキストを使っているなら、ウォーク問で自然にシリーズを揃える。迷う必要はない。
形式: 5肢択一 / 3分冊セパレート・アプリ付 / ¥2,970
※本記事の情報は2026年5月時点のものです。価格・仕様は変更になる場合があります。購入前に最新情報をご確認ください。